土木デザイン設計競技 景観開花。2017

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株式会社 オリエンタルコンサルタンツ

リバーポートパークミノカモ

リバーポートパーク(正式名称・中之島公園)は岐阜県美濃加茂市の公園改修事業です。公園内外には既存林、芝生広場、木曽川といった様々なアクティビティが可能な資源があり、「地球と遊べる「まち」」美濃加茂を代表するポテンシャルがありました。市民もアクティビティの運営や参加に積極的であったため、川遊びやBBQ、プレーパークなどのプログラムを共に考え、それらを繋げるように公園及び建築をデザインし、「人と人、人と自然が交わる多世代・多文化交流拠点」としました。現在は指定管理者の運営が行われ、新たな市民の憩いやまちめぐりの拠点として市外からも多くの利用者がある等、美濃加茂の新たな「湊」として活用されています。

デザインのポイントは、以下の3つです。

①公園内外の多様な資源を繋ぐトータルデザイン
多様なアクティビティが可能な資源が公園内外にあることから、それらの資源を円滑に繋げるような動線・配置計画とし、建築やランドスケープ、道路・駐車場を含む公園全体をトータルにデザインしました。
②ランドマークとなりながら、周辺環境と連続する建築デザイン
建築は周囲に大屋根を設け、地域のランドマークとなりながら、周囲の芝生広場や親水空間と連続するようにデザインされ、各アクティビティと対するように諸室を計画しました。2階は公園を一望できる多目的な回廊スペースであり、気持ち良い周辺環境を存分に感じることができます。
③快適なアクティビティに貢献するランドスケープデザイン
  快適にBBQを行えるよう芝生内にウッドデッキを設けると共に、水際の散策路は日常時には木曽川の開放的な風景を、イベント時には川のアクティビティを楽しめるようにデザインしました。

(2017年グッドデザイン賞受賞)

Waiwaiドームしもつま

「下妻市にぎわい広場Waiwaiドームしもつま」は、かつては商業施設が立地していた中心市街地内の大規模遊休地を活用して開設した「まちなか広場」です。屋根付多目的広場「Waiwaiドーム」、地域交流センター「わいわいハウス」、エクストリーム広場「B.E. step125 -shimotsuma-」を主要施設として配置し、多世代・多目的に利用されることを想定しています。

空間のデザインを行う際に特に意識したことは以下になります。
①ニーズをよく把握すること。この場所がどのようなことを求められているのか、発注者である下妻市の意見を聞くとともに、地元の住民の方々とワークショップを行いながら、どういう場所にしたいのかというニーズを聞き、お互いが納得するまで話し合いながらデザインを進めていきました。
②使う人の来場から帰宅するまでのアクティビティを具体的に想像する。
ニーズを把握したあとは、利用者を想像しながら、駐車する、移動する、トイレに行く、休憩をする、帰り支度をする、など、来場から帰宅までの一連の流れをシュミレーションしました。これにより、場所ごとに求められる機能がより具体的に見えてきたことで、設計がしやすくなりました。
現在、「Waiwaiドームしもつま」は、下妻のまちなかの様々なシーンを演出する広場として、多くの市民グループに支えられながら、多く来場者が訪れる場所となっています。

平城宮跡歴史公園 平城宮いざない館

平城宮いざない館は、国土交通省近畿地方整備局が国営平城宮跡歴史公園拠点ゾーン内にガイダンス施設として整備を行った施設です。弊社は、構想、計画、設計・現場監理(松田平田設計とJV、弊社は景観・外構を担当)、展示基本設計を約10年にわたり担当いたしました。

施設の計画時には、拠点ゾーン(奈良県整備区域の交通ターミナルと文化庁所管の朱雀大路等が位置するゾーン)の復原施設・遺構と現代建築の景観性や統一性、差別化等に配慮する基本方針を示した整備計画について、有識者・五者(奈良県・奈良市・文化庁・奈良文化財研究所・国)にご意見を伺い、計画策定を進めながら行いました。

外構設計時には、いざない館に隣接する大池の部分改修や、設計中に発見された鍛冶工房跡の見せ方、隣接する土地との高低差に配慮した関係者駐車場の設計、同時に整備されていた奈良県整備区間との園路や色彩等の連携のそれぞれの課題を解決しながら行いました。

平成30年に開園を迎えた現在では、整備区域の隔たりなく国民の皆さんの憩いの場として活用いただいています。